看護師の仕事は生活リズムが不規則になったり、体力的にハードになったりしがちです。そこでおすすめしたいストレス発散術が、体力づくりをかねた運動です。運動をすると心身ともにリフレッシュでき、ストレス解消につながります。日頃の運動不足も解消できる、一石二鳥の方法です。
そもそも、なぜ運動するとストレスが和らいだと感じるのでしょうか。
運動をすると、心拍数が上がります。 すると全身の血流量が増加し、脳に酸素や栄養素が運ばれます。 脳への血流が増えると、ストレスによる悪影響を緩和できるといわれています。
また、運動は、セロトニンの分泌を促すともいわれています。セロトニンは、脳内の神経伝達物質の一種です。心身を落ち着かせる働きがあり、「幸せホルモン」とも呼ばれています。運動をするとセロトニンの分泌が活性化するため、爽快感や幸福感を感じやすくなるようです。
また、運動すると、天然の鎮痛剤と呼ばれるエンドルフィンも安定して供給されるようになります。エンドルフィンは疲労感を麻痺させる作用があるほか、高揚感を促すともいわれています。いわゆる「ランナーズ・ハイ」という現象は、脳がエンドルフィンを分泌することで発生するという説もあるようです。
さらにやる気を引き出すドーパミンも分泌されるため、気分をポジティブな方向に持っていきやすくなります。
こうしたことから、運動はストレス解消に効果があるといわれているのです。
ここからは、特にストレス発散に効果があるとされている運動を紹介します。
1つ目は筋トレです。筋トレを行うと、アドレナリンやドーパミンが分泌されやすくなります。また、筋肉を鍛えると体力が向上し、健康増進にも繋がります。気分が高まるだけでなくフィジカル面も強くなることで、ストレスに立ち向かう力も養えるでしょう。スクワットや腕立て伏せなどを、無理のない範囲で行うことをおすすめします。
2つ目は有酸素運動です。特にランニングはストレス発散に効果があるとされています。無理なく行えるうえ、単調な動きが精神を瞑想のようなリラックス状態へと導いてくれます。深い呼吸を意識すると、よりリラックスできるでしょう。
運動がストレス解消に効果的だからといって、無理に行うのは禁物です。例えば急にハードな筋トレを始めても、辛さの方が上回ってしまうでしょう。そうなると、運動イコール「しんどいもの」と脳が認識してしまいます。ストレス解消につながる脳内物質は、運動を継続することで分泌されやすくなるといわれています。継続できるよう、適度な疲労を感じる程度の運動を心がけましょう。
また、自分に向いていない運動をやっても、かえってストレスの原因になってしまう可能性もあります。自分に向いている、楽しいと思う運動を、自分の好きなタイミングで行うことが大事です。